アロハ・エ・コモマイ
平井大
アロハ・エ・コモマイ
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「このままかえれなかったら、どうしよう……っ」
「む……せっかく、からだがおっきいんだから、もっと、しゃきっとして!」
「ひぇぇ……!?で、でも……っ」
「ないてたら、まえみなくって、かえりみち、もっとわかんなくなるんだから!」
「あ……」
「おうたでもうたってたら、なんとかなる!」
「うたっても、かえりみち、わかんないよ……」
「うたったくらいで、かえりみちが、わかるわけないでしょ!かんちがいしないでよねっ」
「えぇ……?」
フォルテの手を取って空に飛び上がると、慌てて羽を動かしてついてきた。
だから、そのまま振り回すようにクルクルして歌い出す。
すると、凄い困った顔のまま首を傾げてルゥを見上げるフォルテは、元気だねって羨ましそう。
ルゥだって少し前までは暗くなっちゃってたんだと応えると、全然見えないってちょっと笑った。
それってきっと、フォルテも同じ。
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