アロハ・エ・コモマイ
平井大
アロハ・エ・コモマイ
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「フォウくん……よかった……!」
「お、おかあさん……!」
「お嬢ちゃんは、この辺の子……?」
「ルゥのおうちはうみだよ!でもね、ここはよくしってる!」
「そうなの……。フォルテを連れてきてくれて、ありがとう」
「べ、べつに……!とーぜんのことしか、してないんだからっ」
「あら……。ふふ、照れ屋さんなのね」
「てっ、てれてないんだから!かんちがいしないでよねっ」
「おかあさん、ルゥちゃんはね、とってもおよぐのがはやいんだよ」
「ふふ、フォウくん、振り回されてたみたいね」
「えへへ……」
「……あ!あのひとのとこ、いかなきゃ!」
「あの人?誰かと待ち合わせしてたのかしら?」
「んーん。でも、あのひとね、いまはルゥがいないと、いろんなところにからだぶつけるし、ころんじゃうから」
「それは大変!早く、その人のところに行ってあげないといけないわね」
「……うんっ」
「あ、あの……っ」
「なぁに?」
「きょうは、あ、ありがとう……」
「……これは?」
ありがとうって渡されたのは、なかなか見つからないくらい綺麗な貝殻。
何だろうって思ってたら、フォルテは真っ赤になってお母さんに隠れちゃった。
それを笑いながら気が弱くて困った子ねって引き摺り出す。
意外と強引……。
ぽかんとしてたら、ポソポソ何か呟くフォルテ。
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