「招かれざる客達(姐さん(1))
秘密結社 路地裏珈琲
「招かれざる客達(姐さん(1))
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新しいチームとの出会い、転機になったサウンド
『以下コピペ』
姐さんのアンサー↓
https://nana-music.com/sounds/04dc6b47
と、この直前の出来事↓
https://nana-music.com/sounds/04f42da3
「ええ、あの、あなたさっき...!」
「シッ!!......君、そういうのナンセンスだよ」
貧血で倒れたと聞かされたものの、自分でも納得いっていない受付の青年が、目をかっぴらいてイチロウを指差した。さっき、この後の段取りはちゃんと話したけれど、告げられたとんでもない強引な戦法に、姐さんは目を白黒させ身を硬ばらせる。
「いいかい、君。このコを連れて僕がここを通った事は誰にも喋ってくれるな」
「その......やっぱりそれって、まさか!?」
「あぁ、見れば分かってしまうよね......そうだろうとも、アンナ...君と僕の愛は闇夜に輝く背徳の満月、隠れる場所などないようだ...!!」
受付の目の前で急に抱き寄せられて、”物憂げな愛人“を演じる姐さんのドレスが、衣摺れの音を立てる。ボルドーブラックに織り込まれたラメが、彼の言うように夜空を思わせ、伏せられた長いまつ毛が受付の視線を縫い付けた。
......ーーー
暗い廊下を軽快に並走しながら、姐さんがぼやく。
「やりすぎよ、なんで台本にないこと口走ったの!?」
「仕方ないじゃないか、君の恥じらい顔は想定外の罠だった......あれで黙っては詩人を名乗れないよ」
「恥じらってない、あれはグーで殴るかパーで叩くか迷った時の顔」
「あぁ、それはもっと誤算、つれないんだね」
手のひらで死角を作ってイチロウがキスをするふりを演ってみせたら、受付は目の遣り場に困って慌てふためいていた。隙をみて、そのまま強引に押し入ったものの、あの妙な距離感がモヤのように纏わり付いて離れない。
「ちょっと待って、一回気持ち切り替えて会場入りするから......!?」
一歩ずつ速度が緩む姐さんとイチロウに、距離が生まれたその刹那、曲がり角からふらりと現れたボーイ、胸に飛び込む姐さん...ピタリと目が合って運命すら感じる絶好のタイミングである。まだ”物憂げな愛人“から抜けられない彼女の落とし穴に、不運な男が落っこちて、即座に殴られ床に沈んだ。
「姐こちゃん、冷静に聞いてくれる?」
「何」
「...君、そのままで居た方が総合的に殺傷能力が高くないかな」
転がった男を挟んで、しばしの沈黙。
真顔でちょっと俯いた姐さんが、割り切った声で呟いた。
「......たしかに」
* * * * *
作戦変更、なりきれセクシー。
ミステリアスなお客様にご注意。
to be continued...
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