一人用台本【ノアの箱舟】
読み手 :お名前
一人用台本【ノアの箱舟】
- 74
- 9
- 1
また小説じみた台本です
幼い頃から重い病気で外に出られない少年の病室で見た夢のお話。
性別口調など好きに指定して下さって大丈夫です、ご自由にお使いくださいませ
以下本文
世界の終焉を見た。
この世に芽吹き活動していた全ての命の躍動が、一晩で消え失せる大洪水だった。
一面に広がる深い青は、世界を飲み込んだとは思えないほど美しく、逆にその悍ましさを膨れ上がらせる。
そこは波もなく、静寂の世界だ。
命を拒む青い星に一人佇む僕は、ふと足元へ視線を下ろした。
視界にはまた別の色が映る。肌よりも白い砂の孤島が、素足の下で輝いていた。眩しい程の純白は、風も無いのに時折空を舞い世界を煌めかせる。
…目前の光景に目を奪われていた僕は、刺す様な冷たさに意識を引き戻される。
いつの間にか暗雲に覆われた空はこの世の色を暗く塗りつぶしてしまった。
段々と強くなる黒雨(こくう)に眩しかった白は鼠色に染め上げられ、崩壊を始める。
立っていられる場所は、もう殆ど残っていない。
完全に崩れ切ると同時に、僕の乗り損ねた大きな方舟が、視界に映ったような気がした。
…夢を見たらしい。今回は随分と綺麗な物だった様に思う。
チューブに繋がれた体を動かし窓の外を見た。木の上で鳴いている色鮮やかな鳥が、白い部屋で動けない僕を嘲笑っているような気がした。
#ピアノ #そうすけ #悲しいBGM #切ないBGM #台本 #朗読台本 #シリアス #朗読 #一人用台本 #声劇 #声劇台本
#鳥男の台本
Comment
1commnets
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました