僕の見たビートルズはTVの中 弾き語り
斉藤和義
僕の見たビートルズはTVの中 弾き語り
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「呼応する歌」
この歌の中の
"雨の降る日は どこへも出たくない
だけど大切な傘が ないわけじゃない"
という部分を聞いたときに、すぐに思い浮かんだのが、井上陽水の「傘がない」
"だけども問題は今日の雨 傘がない"
呼応していると思った。当時僕は30代半ば。
https://nana-music.com/sounds/059e2336
約二十年の時を経て、そこそこ満たされた生活の中にある閉塞感を歌うとき、陽水が導いた「個人的な日常」が引き合いに出てくる。
あのころと違って「必要な傘」はあるし、生きることに大きな支障はないのだけど、だからってイケイケで突っ走る気持ちにはならない。
糞詰まりの中で、それこそ「あのころは良かった」なんて言い出すやつが出てくる始末だ(^_^;)
、、、と、この歌が世に出てから、またもや四半世紀がたってしまった。
例えば香港の民主化運動なんてニュースをみながら、僕は今、ただ君を抱きしめる日々に満足できるだろうか。
---- 歌詞 ---
ほしいものなら揃いすぎてる時代さ
僕は食うことに困ったことなどない
狭い部屋でも住んじまえば都さ
TVにビデオ ステレオにギターもある
夜でも街はうっとおしいほどの人
石を投げれば酔っぱらいに当たる
おじさんは言う「あのころはよかったなぁ」
わかる気もする けどタイムマシンはない
雨の降る日はどこへも出たくない
だけど大切な傘がないわけじゃない
短くなるスカートはいいとしても
僕の見たビートルズはTVの中
緊張感を感じられない時代さ
僕はマシンガンを射ったことなどない
ブラウン管には今日も戦車が横切る
僕の前には冷めた北風が吹く
ぬるま湯の中 首までつかっている
いつか凍るの?それとも煮え立つの?
なぜだか急に「イマジン」が聞きたい
そしてお前の胸で眠りたい
わけのわからない流行りに流されて
浮き足だって奴らがこの街の主流
おじさんは言う「日本も変わったなぁ」
お互い棚の上に登りゃ神様さ
わからないものはわからないけど
すっとしない
ずっとひねくれてるばっかじゃ能がない
波風のない空気は吸いたくない
僕の見たビートルズはTVの中
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