TERUさん専用台本
KIRA
TERUさん専用台本
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TERUさん台本
第1話
11月20日。夜9時。残された時間は、あと3時間。
この街の端から端まで。隣町のあの橋まで。一緒に行った天文台まで。君と出会ったあの海辺まで。
どこに行ったって。どれだけ走ったって。君は見つからなくって。ただ君に会いたいだけなのに。
4月10日。滑り止めの高校。着たくもない制服を身にまとって家を出た。本当なら逆の道を歩いていたはずなのに。違う電車に乗っていたはずなのに。
耳にイヤホンをさす。流れる音楽が外の音をかき消した。
ついてしまった。校舎を見上げる。最近できた学校らしく、校舎はとても綺麗だった。それでも心は晴れなくて。
始業式が始まった。知らない人達。知らない先輩。知らない保護者。何も見たくなくて自分の靴ばかり眺めてた。
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