【声劇】売る男
読み手: BGM:四ノ宮りゐさん 発案:帽子屋モカさん 台本:エグゼクティブソーダ
【声劇】売る男
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私が好きな「言葉」を売る男のお話
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男は今日もそこに立っている
人通りの少ない路地裏でひっそりと
汚いその場所にはおおよそ似つかわしくない、綺麗なスーツに身を包んだ男
男は物売りだ、いや物売りというには少し語弊がある
彼は確かに商売をしているが、彼が売るのは「物」ではない
この路地裏には【それ】を求める人が迷い込む
「いらっしゃいませ
おや、あなた様々なものにとらわれていますね
あなたが無意識に感じている、世俗的な常識
これはこういうものなんだという認識
それがあなたを縛り付け、苦しめ、終わりのない憂慮の輪に閉じ込めている
その認識を変えてしまえばいい
人は清廉潔白に生きなければならない?真面目に懸命に生きなければいけない?
男だから、女だから、年上だから、年下だから…?
そんな【だから】をあなたの好きなように変えてしまいましょう?
あなたの望む世界が、はじめから当たり前のように存在するものにしてしまえばいい
あなたが変わる必要なんてない、他人の認識を変えてしまえばいいんです
ここでは【それ】が手に入ります」
【それ】が買われるたびに世界は狂う
「お買い上げありがとうございます。
その【概念】…正しくご使用くださいね」
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※何しても大丈夫です
#炭酸水の台本 #四ノ宮りゐオリジナル
Comment
3commnets
- ピッ・エーロ・ダDiお借りします。
- あの日見たモカの名前を僕たちはまだ知らない読んだぜよ
- きくまゆうり素敵な台本、読ませていただきました!