【声劇台本】海に溶けた朱と恋
伴奏【四ノ宮りゐ】×台本【ふたば】×芝居【】
【声劇台本】海に溶けた朱と恋
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浜辺に落ちたかき氷が見守る話
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「恋人、終わりにしようか」
何ヶ月ぶりかのデート
会えない日をずっと思い重ねてようやくの
何を着ていこう
どこにいこう
そうだ、美容院も予約しよっと、
わくわくわくわくしながらその日を待って
待って
待った
はずなのに
朱に包まれた海岸沿い
いつもデートの最後はここだった
ここで「まだ帰りたくないね」って2人で顔を見合わせて困ったように笑うの
そのはず、だったのに
「そっか」
長い間を開けて、ようやく発した言葉はそれだけ
浮かれて買ったかき氷が喉を通らなくなる
あれ、今日ってこんなに寒かったけ
私の震えた声を聞いて、
俯いていた彼が顔を上げる
やだ、目あったら泣きそう
彼がこちらを見るやいなや、
今度は私がそっぽを向く、向こうとした。
「はじめませんか、家族」
彼は照れ臭そうに、少しバツが悪そうに、
ポケットから小さな箱を取り出した。
「ばか」
夕焼けと一緒に海に溶けた恋は今日、
愛になって見守っている
#四ノ宮りゐオリジナル
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1commnets
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊