【声劇/グロ】永遠の夏

私：

夏が好きなら、 愛し合えることができた。 君を失った夏に 囚われている。 憐れな蜃気楼だ。 －－－－－－－－－－－－－－ 群青に3滴だけ白を混ぜる。 海はこうやって作られる。 揺らめく波の音に、 足をつければ、 世界はコバルトブルーの空に 星を散らすのを待っている。 麦わら帽子は 風を恐れず、走り出す。 砂浜に描かれた似顔絵をさらって、 スイカは音を立てて崩れていく。 足跡も残らない平面の光景でも、 見違えるほど輝く心を 私(僕)は知っている。 約束の言葉に少し添えて。 水滴が金魚を撫でるように踊れば、 君の体も外を見ることが できるだろうか。 気付かないフリをしよう。 たとえ蜃気楼でも良いじゃないか。 嘘を固めたヴィジョンでも、 これが幸せと呼べる代物なんだから。 現実で肉が溶け、 骨があらわになっていたとしても、 この光景さえ大切にできるなら、 それが全てだ。 たとえ、暑さ失わぬ夏が永遠に 終わらなくとも。 －－－－－－－－－－－－－－－－－ #声劇　#台本　#声劇台本　#１人声劇 #レイシ―の絵本