10.夢の日々
劇団indies
10.夢の日々
- 20
- 3
- 0
#劇団インディーズ #劇団インディーズ_配信 #劇団インディーズ_泡沫の涙
ジョン:やめようよブライアン、人間に見つかったら捕まっちゃうよ…!
ブライアン:なんだよ、お前もアメリアがどうなったか気になるだろ?
ジョン:それは、そうだけど…。
ブライアン:あ、来たぜ!人間の男と一緒に歩いてくる!
アメリアとカイルは仲睦まじく手を繋いで海辺を歩いている。ブライアンとジョンは近くの岩陰に隠れる。
カイル:おいで、アメリア。ここは俺のとっておきの場所なんだ。陸の上じゃ、ここが一番海が綺麗に見える場所さ。
カイルに誘われ、海に視線を向けるアメリア。その瞳には何処か寂しさの色が浮かんでいる。
カイル:…海は嫌い?
カイルの言葉に勢い良く首を横に振るアメリア。その様子を見て、カイルは安心したように笑顔を浮かべる。
カイル:良かった。俺は、海が大好きなんだ。いつか自分の船を持って、広い海の隅々までを見に行きたい。ねぇ、君は人魚の歌を聞いたことがあるかい?船乗りのお伽噺みたいなものだけど、大層美しい声で、聴くもの全てを虜にする程なんだそうだ。人魚の歌を聞くのも、俺の夢のひとつ。
カイルの言葉を聞き、息を大きく吸い込むアメリア。しかしその喉からは何の音も零れる事はなく、小さく肩を落とす。そのアメリアの様子を見たカイルは、おかしそうに小さく笑う。
カイル:そうだね、君が声を出せたなら、きっと素敵な歌声だったろう。けれど声が出なくたって、君はとっても魅力的さ。
アメリアの手を取り、微笑むカイル。アメリアもカイルの笑顔につられ、うっとりと微笑む。
ブライアン:…なんだよ、上手くやれてんじゃねーか。
ジョン:よかったね、アメリア。
Comment
No Comments Yet.