1.ナレーション
劇団indies
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#劇団インディーズ #劇団インディーズ_泡沫の涙 #劇団インディーズ_配信
ナレ:これは、昔昔のお話。これは、とある恋のお話。これは、美しい人魚のお話。
この世の何処かの海の底に、人魚の王国がありました。そこに住む人魚は誰もが美しい姿と美しい声を持っており、陽気に歌って暮らしておりました。地上の世界では、人魚は歌で船乗りを窓わし海の底へ引き摺りこんでしまう化物とされていましたが、それは海の中から聞こえてくる歌声に、人間が魅了され勝手に海に飛び込んでしまうからです。人魚達にそんなつもりはありません。だって、海の底の世界は他の何処よりも楽しく、充実していて、他所の世界の住民を招き入れる必要なんて無いのですから。
…けれど、たった一人。海の外の世界に憧れる人魚の少女がおりました。その少女は人魚の王国を支配する王様の娘達の末っ子で、家族からも、海の生き物達からよ大層可愛がられておりました。陸の世界を夢見る彼女のことを馬鹿にする人は居なかったけれど、誰にも理解されることなく、少女は孤独な日々を送っていました。
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