空想舞台劇「所説地獄漫談記」前口上

読み手：sasa

《追記あり》 とある劇の幕前に行われる前口上 拍子木が鳴っている間は観客に頭を下げて、幕が上がり切ったら太鼓で合図を出しますので、頭を上げて演り始めてください。 改変、アドリブ、自由です ５・７のリズムを見つけてテンポよくどうぞ 読んで頂ける方はこちらからどうぞ ↓ https://nana-music.com/sounds/0590de39 《以下追記》 自分で書いたのに読み間違えた… 「一度入れば広くて見つかり難いとか」の部分 草案：みつかり¨にくい¨ 読んだもの：みつかり¨づらい¨ 『難い』だと「にくい」「がたい」とも読めるし、不親切でした 想定していたのは「にくい」です 申し訳ありません ----------------------------------------------- (0:08~) 浜の横町の長屋敷 音に残るは小悪党 烏太郎吉（からすたろきち）ここにあり すったもんだがありまして　 ついぞお縄と相成りました 市中引き回し（しちゅうひきまわし）の上　打首 その後は晒し首（さらしくび）になったとか (0:20~) さてこの小悪党　周りに自分のことは烏小僧と呼べと言って回っていたそうで 名が示す通り歌舞伎の「鼠小僧次郎吉（ねずみこぞうじろきち）」に深く感銘を受けていたとある しかしその実態はただの小悪党　頭は回るが気は回せぬ　乱暴狼藉（らんぼうろうぜき）当たり前　盗った金品も賭場と女に消えていく お武家や大名様のお屋敷に入るのも　一度入れば広くて見つかり難いとか 奥座敷に金目の物があるのに　そこに居るのは女子供だらけで逃げやすいからとかそんな理由 義賊にあこがれていても　実際には程遠い　ただの悪党だったわけ こんな奴だから地獄に行くのが筋ってもんだ 強面の鬼に連れられて　閻魔様の前に引き釣り出されて初めて気付いた　「あぁ　俺は悪党だったのか」 こんなはずではなかったのにと後悔するも後の祭り　浄玻璃鏡（じょうはりきょう）に映された　自らの悪事を見返しながら 地獄の沙汰を待つのが定石だ 　だけども烏小僧はやはり違う 閻魔さまをどうにかこうにか騙くらかして　生き返ろうって腹積もり 強欲ぶればどうなるか　結末なんざ考えずともわかるもんだが　まぁひとつ聞いてください 「所説地獄漫談記」　みなさん　誰かを騙して得をしようなんて思っちゃあいけませんよ (~1:28) ----------------------------------------------- お借りしたBGM HMIX GALLERY　様より 「酒盛り」 編集：sasa #声劇 #和風 #台本 #朗読 #コラボ歓迎 #ナレーション #一人