渡月橋〜君 想ふ〜
『 ‐ 月 兎 ノ 詩‐ 』
渡月橋〜君 想ふ〜
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«願わくば、また貴方達に会いたい。»
«こんな自分勝手な母さんでごめんなさい»
所々滲んだその紙に。
たった一言。
不器用な文で綴られた言葉が浮かび上がる
その如何にも女性らしい、綺麗な字体。
それは…間違いなく母の字で。
懐かしい、母から温もりを受けて。
段々と心の内が暖かくなって行くのを感じる。
ふと気が付けば、自身の瞳からはポロポロと涙が溢れて。それが頬に伝った。
…やめぇや、お客さんの前やで。
そう思うけれど。
目から溢れる涙は止まる事を知らなかった。
そんな私を見て、常連客のおっちゃん達は
「おぉい采女ちゃん…!?」
「大丈夫かぇ、」
と心配の言葉達を飛ばした。
…さっき、由紀にヤジ飛ばしてたとは思えないくらい。優しいおっちゃん達が、なんだか面白く思えてきて、一つ。笑みを零した。
「…ごめんな!大丈夫!」
そうおっちゃん達にいつものような笑顔を向ければ、皆なんとも単純で。安心したようにほっと一つ息を吐いていた。
________私だって…会いたいよ。
私の事を愛して育ててくれた。
私の自慢の母で、世界でたった一人の母なのだから。
どれだけ世間から見れば、許されない事をしたとしても。私の中で、自慢の母だって事は何があっても変わりはしない。
…会いたいに決まってる。
、それでも
その気持ちと同時に現れた感情は、
«不安»だった。
勿論会いたい。それでも…
9年越しに、母に会ったとして。
私に何の言葉が掛けられるというのだろうか、
私は、どういう行動を取ってやればいいというのだろうか。
そんな思考がグルグルと頭を駆け巡る。
「辛かったでしょうっっ…ごめん、ごめんな、さい……」
そう私の前で嘆く、母を思い浮かべた。
…母の言う言葉に。なんと返事をしてやればいいのか…。私には、わからない。
______会いたいのに、会いたくない。
そんな感情に、胸が締め付けられる。
「…どないすればええ、かな………」
そうぽつりと吐いた。
そんな私の言葉は、先程の楽しげな雰囲気取り戻した店内の空気にすぅ、と飲み込まれた。
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【キャスト】
🍵采女«cv.琉伊»
⛩️由紀«cv.ここあ»
👘掬«cv.SHiNRi»
🍡美夜«cv.李里葉»
🏹那津«cv.榴兎»
🎐梅«cv.MOCO»
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【歌詞】
👘寄り添う二人に 君がオーバーラップ
色なき風に 思い馳せて
🍡触れた手の温もり 今も…
Stop 時間を止めて
🏹そう いつの日だって
君の言葉 忘れないの
🎐会いたい時に 会えない
会いたい時に 会えない
切なくて もどかしい
✨から紅に染まる渡月橋
⛩️導かれる日 願って
✨川の流れに祈りを込めて
I've been thinking about you
I've been thinking about you
🍵いつも こころ 君のそば
ーoー ーoー ーoー ーoー
🍵【お借りした伴奏】⛩️
https://nana-music.com/sounds/0294a6a4
🍡【御本家様】👘
https://youtu.be/sG0QEILgqHA
🏹【タグ】🎐
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