D91 膝丸
紫苑本丸
D91 膝丸
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#紫苑本丸
昨夜の夢は目が覚めた今でも忘れられない。
何か悪いことが起こる前兆かもしれない。
俺は皆を呼び出すために緊急用の呼び鈴を鳴らそうと思ったその時…、10人ちょっとの忙しない足音が近づいてきた。
「膝丸、大変だ。時間遡行軍に囲まれた。」
嫌な予感ほどあたってしまうとはな。
「数は。」
「20。」
「今の結界はさほど強くはないし囲まれたとなれば逃げ場はない。」
…事前に計画していたことだろうし、20の兵士はきっと弱くはない。
この本丸の兵力では迎え撃てるかどうか…。
「大丈夫なんですか…?」
「…仕方ない、逃げ道を切り開く他ないんだ。編成は変える。第一部隊には平野、蜻蛉切、不動で正面。第二部隊には大和守、前田、堀川で裏側。第三部隊は宗三、加州、太鼓鐘で左側。第四部隊は燭台切、小夜、今剣で右側。俺は主を守る…いいな?」
「分かった…。」
「死ぬことは考えるな、生きることだけを考えろ…いいな。」
「みなさんどうかご武運を。」
みんなと別れて急いで主のもとへ向かった。
「主っ!!」
「…膝丸?」
「主…非常事態だ。結界を貼り直すことは可能だろうか?」
主には何も伝えない方がきっといい。
もし何か伝えてしまったらまた…。
「…理由は言ってくれないんだね、分かった。」
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