【フィー営業クエスト】その雨が止む先
Orangestar
【フィー営業クエスト】その雨が止む先
- 32
- 1
- 0
ザーーー…相変わらずの雨。園芸店を横切る人間の夫婦が、梅雨はいつ空けるやら…とボヤいた。…油断してはならない。この梅雨だって瞬きすれば顔を変えるのだ…キリエの夏は早い。春から梅雨、夏にかけて季節が駆け足で移ろいゆく…そのため、植物のケアも急ピッチで進めねばならない。端的に言って忙しいのだ。今は水捌けを気にしなければならないし、次は水涸れに追われるのだから…。
手帳を片手に書いては消し、書いては消し。んんーーと唸り声を上げる園芸店の店主。普段は何とか夏の植物の手入れをこなしてきたが、それは去年までの話。なんと言っても今年から私は園芸店を任されている。頼りの園長も花祭で大変だった。さらに休むこと無く、私の世話までさせてしまったのだ。今は兎に角ゆっくりしてもらいたい…。
「人手が…足りない!」
バン!手帳を机に叩きつけ、フィーは叫んだ。季節の変わり目である、今が重要なのだ。今からしっかりとケアをし、お世話をすることで夏本番に美しい花々を咲かせる。あと他にも苗植えと、土の管理と…?溢れ出す予定の渦が、手帳を真っ黒に染めている。
ああぁ時間が無い!どうしよう…店番をしながら唸っていると、傘をたたむ音とごめんくださいの声。丁度花を買いに貴方が訪れたようだ。フィーは顔を見た途端ハッとした表情をし、直後にびゅんっと音を立てて貴方に飛び寄った。
「いらっしゃいませ!あの、突然ですがお手を貸してください…!!」
‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦
植物園の全ての植物の夏の世話を、フィーとこなして下さい。
Comment
No Comments Yet.