絶対的な可能性なんてない。
朗読: /台本:空付碧
絶対的な可能性なんてない。
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アレンジは難しいかもしれませんが、男女逆転しても問題ありません。
よろしくお願いいたします。
#一人声劇 #声劇台本
絶対的な可能性が特定するものなんて、知れ渡っている。
例えば、たばこを燃やせば灰になり、煙となって消えていくくらいだ。
どうしようとも、登って行った煙は、取り返しはつかない。
私のベランダでタバコを吸う男を、私は許せはしないだろう。
彼がしでかした事は、私を裏切り、許せはしないのだ。
けれど、それすらも絶対的ではない。彼が、何かしらの動きを見せて、勘違いをさせようものならば、私は許してしまうかもしれない。
そう思って期待をしているから、彼は私のベランダにいるのだ。
彼が今晩決断することが、私の最後の審判だ。私が自分の心に、ナイフを立てているように、この男にナイフを刺す準備も整える。
それしか、私にできる絶対的なことでしかない。
それでも私はおそらく、この男を許すだろう。
私の感情は、灰になって燃えるのだ。
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