知床を舞台にしたご当地ソング。知床とは、北海道北東部に位置する知床半島一帯をさす[1]。知床国立公園があり、2005年7月17日には世界遺産に登録された。
楽曲制作者は、俳優業のほかに歌手としてNHK紅白歌合戦への出場歴もある森繁久彌である。森繁が1960年の映画『地の涯に生きるもの』の撮影で知床半島の羅臼村(現:羅臼町)に長期滞在した際に制作され、その最終日に羅臼の人々の前で「さらば羅臼よ」という曲名で披露された。
1962年の大晦日に放送された第13回NHK紅白歌合戦では、森繁自身によって披露された[2]。1965年に森繁の歌でシングルレコードとして発売された
目梨郡羅臼町にある、海に面した「しおかぜ公園」には、森繁久彌が出演した上記映画『地の涯に生きるもの』(原作は戸川幸夫『オホーツク老人』)の老人の像と、「知床旅情」の歌碑が建立されている。また、斜里郡斜里町のウトロ地区のウトロ港の近くにある三角岩の前にも、「知床旅情」の歌碑がある。
歌詞には知床の名所・名物が多く登場する。例えば、斜里町の町花が「はまなす」、その斜里町と本楽曲の歌碑がある「ラウス(羅臼)[9]」を結ぶ国道334号にある「峠」から「クナシリ」を望むことが出来る(「」は歌詞に登場する単語)。
この曲については、高木東六から出だしが「早春賦」に類似していると指摘された[5]。また、歌詞にある「白夜(びゃくや)」についても、北海道では白夜は見られないことや、正しい読みは「はくや」であると指摘された[5]。「白夜」についても、「知床旅情」以後全国では「びゃくや」の読みが一般化したとされ、NHKでも「びゃくや」を標準読みにしている。また、森繁は2番の歌詞にある「ピリカ」(本人はアイヌメノコ=若い女性の意味のつもりで歌っていた)が羅臼地方で「ホッケの幼魚」の意味で使われることを知り、気にかかっていたという
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歌:森繁久彌
作詞:森繁久彌
作曲:森繁久彌
知床の岬に はまなすの咲くころ
思い出しておくれ 俺たちの事を
飲んで騒いで 丘にのぼれば
はるかクナシリに 白夜は明ける
旅の情けか 酔うほどにさまよい
浜に出てみれば 月は照る波の上
今宵こそ君を 抱きしめんと
岩影に寄れば ピリカが笑う
別れの日は来た 知床の村にも
君は出てゆく 峠をこえて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いカモメよ
白いカモメよ
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