愛ある言葉。

紙炉 命

棘のある言葉も優しさで包めば、 こんなにも愛おしい。 男性目線⇒ https://nana-music.com/sounds/057c4aef ーーーーーーーーーー ごめんなさいと素直に言えたら。 そんなありふれた後悔にはもう飽き飽きだ。 夜明け前に目が覚めたことすらも 今の私の未来は暗いのだと言われている気がして腹が立つ。 どうせ私なんて、と呟いたのは何度目だろう。 彼と喧嘩をした。 きっかけはくだらないこと。 たぶん私が悪いんだと思う。 いや、完全に私が悪い。 その時に素直に非を認められれば、 こんなにこじれたりはしなかった。 二度寝を諦めてシャワーを浴びる。 机の上の料理は冷めきっていて 彼は帰ってこなかったんだと気づく。 私から連絡をしなければ、 髪が乾いたらにしよう。 書いては消してを繰り返す。 メイクが終わってからでもいいかな。 送信ボタンが押せない。 仕事に行く前に送れば。 鳴り響いた軽快な音楽。 反射的に出てしまった。 「ねえ、いまメッセージ送ろうとしてたでしょう。」 彼に隠し事は出来ない。 無言の私に彼は言う。 「ばーか。」 ーーーーーーーーーー #声劇台本 #台本 #朗読台本 #1人台本