生き止まり。
声劇
生き止まり。
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台詞
何もかもどうでもよかったと、僕は嘯く。
意味すら忘れて、ただ波に揺られながら。
時折吹く風は、妙に生暖かく眠気を誘う。
強くありたかった。
強くなりたかった。
強くなれたと思った。
けれど。それはただの思い違いでしかなかった。
別にすぎた願いだとは思わない。
単に身の丈に合わなかっただけのこと。
何かを成す前に肉体と心が先に限界を迎えてしまったということでしかない。
海水に浸かりながら、たんたんと事実を並べていく。
ゆっくりと這うように夕日が僕を染め上げ、
水面を二度三度撫でた時、
ふと答えが頭に浮かんだ。
僕は、頑張りすぎたんだ。
ひび割れて、ボロボロになった自分の指を眺めながら、人ごとのように思う。
空虚で虚な頭の片隅で、過去の自分が苦笑している。
そうか、僕は頑張りすぎたのか。
そっか……。
よかった…。
ははっ……。
力なく笑えば、
身体から力が抜けていく。
意識が蜃気楼のように薄れて。
急速に閉じていく視界に、戯れるように飛沫が踊った。
やっと……、やっと終われる。
波に飲まれていく間際、最後に瞳に映った景色は、寂しそうに笑う誰かの影法師だった。
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Comment
6commnets
- じゃろん@台本を書くよ
- じゃろん@台本を書くよ
- じゃろん@台本を書くよ
- べにっきーお借りしました ありがとうございます!
- JUN初めまして! お借りしました! ありがとうございます!!
- リンカお借りしました。