始発とカフカ
ナブナ
始発とカフカ
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(機械技師)伝えたい事しかないのに何も声が出なくてごめんね
(幸運児)僕は毒虫になった そんなに興味もないと思うけどさ
(祭司)時間が惜しいので今度は手紙をしたためるとしようか
(鯖)不甲斐ない一日を
(道化師)今日も始発の便に乗って
(祭司)見返すには歩くしかないのに上手く足が出なくてごめんね
(機械技師)アベリアが咲いている 眼下の街を眺めている
(道化師)窓の桟(さん)の酷く小さな羽虫を掬って押し潰した
(🚹)初夏の風に靡いた(なびいた)、
(🚺)白花が今日も綺麗だった
(道化師)教科書にさえ載っていない心情は
(祭司)今日が愛おしいようで
(機械技師)誰かがつまづいたって死んだふり
(🚺)僕らは はら はら はら はら 心を知って征く
今更 ただ、ただ 花を摘まんでいる
(🚹)あなたは カラカラ カラカラ 遠くを歩いて征く
(幸運児)震えた言葉で書くまま
▪️紙が終わっていく
▪️全員
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