「何も言わなくていい
言いたいことはわかってる
今すべて教えればきっと
今日死ぬ運命さえ変えられるだろう
でも私が語るのはたった一つ」
「これから君は何度でも
何度も何度も後悔し
何度も何度も傷ついて
何度も何度も泣くだろう
でもその一つ一つ
噛み締めて時が経つほど
いつの日か熱を帯び
手放しがたくなるから
何も知らずに帰りなさい
私はちゃんと幸せだ」
熱を失う老人に
こぼした涙がクワガタに
触れるや否や瞬いて
いつもの風景に包まれた
まだ青い空の色
まだ青い空の色
まだ青い空の色
まだ青い空の色
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