#エスタシオン事務所
「俺は、いや、僕、は、? ──ああ、谷田川 璃瑠羽って、どんな人間、だっけ?」
■谷田川 璃瑠羽:しゅーや
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──例えば、自分が本当にこんな性格だったらよかっただろう。何も考えず、明るく笑っているだけの天真爛漫な性格。それが始めから備わっていたならどんなに良かったのだろうかとひどく思う。
大切な仲間である二人に釣り合う自分になりたかった。その為には見えないところで努力を続けることも厭わなかった。けれど、どんなに努力を積んだところで自分が彼らに見合うような人間になれたとは思えなかったのだ。散々、散々、出来る限りの努力を続けたのに、自分を認めることも褒めてやることも出来なかった。せめて明るく笑っていれば、二人の重荷になることはないだろうと無理に笑顔を作るようにしていたら、いつしかそれ以外の笑い方を忘れてしまった。
仮面を被るように、谷田川璃瑠羽は振舞う。もう、それしか彼に出来ることはないのだから。
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