#エスタシオン事務所
「銀河鉄道の向こう側に、救いがあるなら。僕は今すぐにでも、そこに行きたいのに」
■伯方 名梨:狐春巳稜
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──才能を持つ二人の足を引っ張っている。それは結成当時から明白だった。どんなに努力しても、どんなに頑張っても、その差は埋めることが出来ない。何もない凡人と、才能を持つ人が同じように努力しても追いつくことなんてない。才能を持つ人より努力したとしても、それが近付くこともない。ただ、溝が深まっていくだけだ。
名梨はそれを良く知っていた。止められない努力、疲弊する精神、悪意などなく接してくれるメンバー。非があるのは、自分だ。自分が平凡だから、自分が凡人だから。……ああ、それなら、それなら。
自分の部屋の天井に、縄をかけてみるのはどうだろうか。それから、高いものに登って、それに首をかけるのはどうだろうか。それをしたら──この苦痛から全て、解放されるのだろうか。
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