ヘッドフォンアクター
じん 自然の敵P
ヘッドフォンアクター
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« 宰我 »その日は随分と平凡で
当たり障り無い一日だった
« 倉谷 »暇つぶしに聞いてたラジオから
あの話が流れ出すまでは
« 水島 »「非常に残念なことですが、
本日地球は終わります」と
« 宰我 »どこかの国の大統領が
« 倉谷 »泣きながら話をするまでは。
« 倉谷 »窓の外は大きな鳥たちが
空覆い尽くしてく渋滞中
三日月を飲み込んで
どこかへと向かってる
« 宰我 »やりかけてたゲームは
« 宰我・倉谷 »ノーセーブ
« 倉谷 »机にほぼ手つかず
« 倉谷・水島 »参考書
« 宰我 »震える身体をいなす様に
すぐにヘッドフォンをした
« 宰我 »不明なアーティスト項目の
« 倉谷 »タイトル不明のナンバーが
« 宰我 »途端に耳元流れ出した
« 水島 »「生き残りたいでしょう?」
« 宰我 »蠢きだす世界会場を
« 倉谷 »波打つように揺れる摩天楼
« 宰我 »紛れもないこの声はどう聞いても
« 水島 »聞き飽きた自分の声だ
« 水島 »「あの丘を越えたら20秒で
その意味を嫌でも知ることになるよ。
疑わないで、耳を澄ませたら20秒先へ」
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