【台本】夏雪-404-

作者:鴻巣たろう 演者:あなたのお名前

こんばんは、鴻巣です。二作目の台本になります。 タイミングお手本です。 https://nana-music.com/sounds/055cf1ba 使用の際は拍手をお願いします！ 今回は一人声劇です。過去回想となっていますが、まさに今、その場にいるように演じられてもよいですし、淡々と演じられても良いと思います。得体の知れない何かを見に行くという状況、幼さに宿る好奇心などを意識していただけると面白いかもしれません。 ()を意識していただけると嬉しいです。 以下、台本 ——————————————————————— (環境音) 夏に雪がふった。 晴れ渡る空の中、煌々と輝く太陽がうすら寒く感じるような光景。 当時、１０にも満たなかった私は、ただただ、陽に照らされて輝くそれを眺め続けた。 どのくらい時間がたっただろうか、白で飾られた空の中に何やら影が映りこんだ。 影はゆっくり、着実に、進み続けた。 目を凝らしてみる。 (モールス信号)1:02 人だ。 あまりに理解できない状況に呼吸すら忘れる。 焦燥。 自身の口から、か細い悲鳴が洩れた。 落ちたのだ。 (ドアを開ける)0:53 家を飛び出した。うまく履ききれなかった靴が足を止めようとする。小さな抵抗を無視して、落ちた場所へ向かう。 向こう岸の廃ビル。人口流出が顕著となったこの町では、珍しいものではなかった。 (足音 終わり)0:39 肩で息をしつつ、目の前の建物を見つめる。むき出しの配管が歪な影を作る。いつも見ていた光景だが、少し大きく見えた。 (階段を登る)0:28 きっと屋上だ。なんら根拠もない理由で上階を目指した。一歩ずつ階段を上がる。心臓の高鳴りを抑えるように、踏みしめて。 (鼓動音)0:19 扉の前に立つ。鈍色のドアノブに手をかける。ゆっくり、着実に、開ける。 (ドアを開ける)0:12 風で舞い上がった雪が屋上を囲む。その中心にそれはいた。 (モールス信号)0:06 夏に雪がふった。 晴れ渡る空では、雪は降れないのに。 ————————————————————— 【効果音素材】 ポケットサウンド: https://pocket-se.info/ On-Jin ～音人～ 【編集】 鴻巣たろう #1人声劇 #声劇 #声劇台本 #台本 #朗読 #鴻巣の台本