不穏の咆哮【ヤミィ】
NAZNA
不穏の咆哮【ヤミィ】
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「よくも、私の可愛い従業員を襲ってくれたな…!無論、覚悟は出来てるんだろ?」
葉が生い茂り、日の届かぬ暗い森の奥。ここはキリエの外壁を越えた、外のフィールド…
細かく編み込みされた髪を高く束ね、動きやすい服装に身を包んだヤミィ。普段の美しく着飾り、柔らかい口調で話す彼と同一人物とは思えぬ形相だ。
開店時間を終え、そろそろ店が開くというのにいつまで経っても訪れない従業員がいた。皆のメイクのサポートを行う新人の青年だった。彼はヤミィ率いるサロンの腕に惚れ、遥々隣の街から危険を承知でキリエまで通っていた。魔族や魔獣が動き出さない早朝と警備が活発な夕方に合わせて行き来をしていたのだが、ついに恐れていた事態が起こってしまった。
サロンに響き渡る悲鳴。血を流し、息も絶え絶えに彼は何とかサロンへたどり着いた。
話を聞くと、最近葉が茂り日が入りにくくなった地帯にバイコーンが暴れているらしく、彼の街の周辺で被害者が続出した。軍は早速バイコーンを撃退し、皆一安心したのだが…
「バイコーンは一体じゃなかったんです。死んだバイコーンを食らって、恨みと力を得た別のバイコーンに出くわしてしまって…」
彼とてマーマンの亜人。それなりの力と耐久性のある鱗もあり、弱い種族ではない。それなのに…手当をしながら従業員達が震え出した。
しかし1人、恐怖とは違う感情に身を震わせる人物がいた。
「副長、今日は貴女にサロン任せられるかしら?」
副長は全てを悟り、黙って頷いた。
「幻惑と炎の中で、お前が与えた痛みを…お前も味わえ!」
ヤミィは、巨体を震わせ殺気と威圧感を放つ2本角の凶獣へ叫ぶと、戦闘へと身を構えた。
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バイコーンと戦闘をして下さい。
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