囚人、雨に濡れて
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囚人、雨に濡れて
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雨の降る、夜だった
「…全部、俺が…?」
少女の周りには、ざっと1万を越える数の死体が転がっていた
「…ざけんなよ…」
(…ドグマ…あの野郎…!んなままで…生きていけるわけねぇじゃねぇかよ…!…こんなの、…ただの、バケモンだ…!)
少女はふらりと立ち上がって、天を仰いだ
(…2度と、俺みてぇなやつ出してたまるかよ…。もう誰も、人の道から外させねぇ…。政府の囚人?やってやんよ、ゴミは殺した方がマシだ…!)
琥珀色の優しい目が、ぎらりと獣のような鋭い目つきに変貌した
「ドグマ!!首洗って待ってやがれ!!てめぇはぜってぇ俺が殺してやる!!俺ァどんな手段も選ばねぇからな!!キドゥ教ごと叩き殺してやんよ!!」
少女の空への叫び声は、虚しくも雨の音でかき消された
これが、とある少女の、外道としての…囚人としての、最初の物語である
まだ、雨は続く……
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