「A.」 声劇台本
読み手:ゆう BGM:ハルキ様 台本:天歳
「A.」 声劇台本
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生きているだけで、産まれてくるだけで幸せなはずなのに。
「僕こそ、生きていても甲斐ない命である。
結果よければ全てよしとか言うけれども、
その結果とやらが出るまでは、不安で不安でしょうがない。
時折、自信を無くし、理想と現実の狭間で立ちすくんでしまう。
そもそも価値のある命とは、
完璧かつ、便利な命の事だろうか。
はたまた、そうなり得る命の事だろうか。
僕は、そうなり得る命だった。
そして、怒る彼も、俯く彼女も、他人を傷つけた奴も。
みんなみんな、最初は無限大の可能性を秘めた赤ん坊であった訳で。
誕生こそ祝われたものの、それと同時に人生のピークを迎えてしまったのでは?とさえ思う。
僕らは、不完全だ。
希望を持ったものの、上手く行かなくて挫折した。
それでも、諦められなくて立ち上がった。
挫折する度に、見えてきた生きる意味を掲げた。
自分の愛せる自分になる為に、
理想に近づく為に、
もがき苦しんでいく。
本当は、生きているだけで素晴らしいのだ。
しかし、それ以上を求めてしまう。
僕らは、生きることに貪欲だ。」
#声劇 #一人声劇 #声劇台本 #天歳
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