朱鬼碧扇
アオイ/ アカネ/ 台本・編集/瑛
朱鬼碧扇
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――碧を纏って朱は笑う
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★アオイ
☆アカネ
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〈本坪鈴〉
☆「かみさま、どうか護ってください」
★声がする。俺を起こす声。
〈本坪鈴〉
☆「一族は死にました。父も母もみんな。私が、最後です」
★はるか昔の大戦で力を削られ、“居る”だけだった俺を必要とするのか。
〈本坪鈴〉
☆応えてください。支配(まも)るのではなく寄添(まも)っていた、かみさま。
〈音入り〉
☆「どうか」
★「俺はまだ要るのか」
☆「っ!かみさま!」
★「まだこの扇を愛してくれるのか、ヒトの子よ」
☆「一族の証、家宝『碧扇(へきせん)』。貴方は私に残った唯一の誇りです」
★「ほう。その細腕でこの扇を振るい、誇りを示すか」
☆「過剰に裁く天使にもその父にも、歯向かわなければ。そうしなければ……!!」
★「ははっ!そうか!我らの仇に一矢報いようというのか!……愛された恩を返してこそ付喪神。お前が最後ならば護ってみせよう、その日まで」
☆「ならば……!」
〈無音〉
★「我が名はアオイ。青丹(あおに)の錆がつこうともオウガの一族を護らんとするもの。……護りきれなかったようだがな」
☆「私はアカネ、アカネ・オウガ。天に刃向かう者。力を貸してください、付喪神アオイ」
〈本坪鈴〉
☆「生き残るために」
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とある大陸のとある森深く。ここからも、反逆者は産まれる。
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朱鬼碧扇(しゅきへきせん)
天使が支配するこの世界において天使の「父」である唯一神ははるか昔天使を率いて、世界を守護していた八百万の神々を滅ぼす。社や物語などで信仰を形作っていた神々はほぼ消滅したが物が長年愛されることによって生まれる付喪神は僅かではあるが残っていた。アオイはとある人間の一族に代々伝わる鋼扇の付喪神。青丹色の錆がついても一族を護るという祈りによって碧扇と名付けられたソレは一族の住む地がとある大陸の山奥であったことからその依代を破壊されることなく現在まで残っている。一族は当主が代々碧扇を用いて戦う術を受け継ぐ。しかし、現在一族の血を継ぐものはただ一人。十代も半ばの少女独り。あとは全て死に絶えた。それでもアオイは付喪神として愛してくれた人間を護るために未だ存在している。
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BGM : H/MIX GALLERY 「月夜蝶」
効果音素材:ポケットサウンド – https://pocket-se.info/
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Comment
4commnets
- 藤みのり後の報告ですみません!お借りしました!
- くるるんバチ素晴らしい台本ですね!お借りいたします!
- モーニングとっても素敵です……お借りしました!
- 藤鴇ゆずり今回も好きです。お借りしましたありがとう。