【声劇台本】物書きの真似事

1( ) ・2( )

ルーム／inst をお借りしました。 物書きの本が書きたかっただけなのですが、 最終的に百合になっていたので、自分の趣味に蓋できるものではないなあと痛感します。 冒頭とラストのモノローグは2の担当です。 たぶん男女でも成立するのでご自由にどうぞ。 －－－－－－－－－－－－－－－－ 幼い頃から本が好きだったし、 物書きの真似事も嫌いじゃなかった。 ただ、それだけ。 1「この人、芥川賞作家様だっけ。 2「過去の栄光だよ。 1「確かに。 この人の本、昔は面白かったのにね。 テレビに出るようになってから なんか横柄だなあって嫌いになっちゃった。 2「読んだの？ 1「賞取った本？ 2「そのあと。 1「その次の次くらいまでは。 つまんなかったよ。 書記官が急に王様になっちゃったみたいで。 後で読み返してみたら、初めから王様気質だった気もするけど。 2「そっか。 人柄を知って感想が変わるような本、 たぶん最初からつまんなかったんだよ。 1「そうかもね。 賞、応募しないの？ 2「この人が審査員なんだよね。 だったらいいや。 作家になりたいわけでも無いし。 1「えーもったいない。 面白いのに。 2「ありがとう。 私は本が好き。 それだけのこと。 ただ一人のために物語を書いているなんて そんなつまらないこと、 これからも口にするつもりはない。