真実
異譚 刀剣乱舞
真実
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#異譚刀剣乱舞
審神者の部屋。三日月が居る。
三日月:…そうさな、最初は小さなことだった。同じ戦場、同じ敵。同じ展開。同じ結末。「正しい歴史」とはこうあるべきと、間違った所はこう正せばいいと、政府が示し、審神者が従い、俺達が戦う。…それ自体がおかしいのだ。主よ、「塗り潰された歴史」の事を、お主は知っているだろうか。世界を揺るがす戦の終わりに多くの刀剣が葬られた様に、その時代の権力者によって「無かったこと」にされるものは多くある。歴史も、同じなのだ。誰かの都合の良い様に歪められ、或いは不幸にも記録が失われ、今の世にあるのだ。つまりだな、主よ。「正しい歴史」など、もうこの世にありはせぬ。あるのは神をも恐れぬ人間の、薄汚くも恐ろしい、企て事のみということだ。
不気味な程に明るく見える三日月の瞳は、ただ真っ直ぐに審神者へと向けられている。
三日月:さて、我等が主よ。そなたにとっての「正しい歴史」を紡ぐ時が来たぞ。…覚悟は出来ているようだな。…では、始めるとしようか。
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