第8話
高空 / UMEILO
第8話
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『拝啓憎い人』
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ナツは、自分の母親の名前が書かれた墓の前にいた。彼女は大ベテラン女優でありとても美しく、大和撫子、永遠のヒロインなんて言われていたらしい。しかし、彼だけはそんな彼女の正体を知っていた。
「ねぇ、あんたが17年前に酔い潰してホテルに連れ込んだ未成年に会ってきたよ」
そう言って、墓に向かってスメラギの写真を見せ、その端にライターで火をつける。
「はは、あんた、最後まで僕を息子だって認めなかったけどさ。あいつ秒で認めたよ。自分で襲った未成年のことを息子だって」
写真は灰になり、風によって墓に叩きつけられる。
「いいことを教えてあげるね。あいつ、あんたのこと全く覚えてなかったよ。でも、覚えてないのに僕のことをさ、」
勝ち誇ったように、泣き出しそうに、ナツは顔を歪めた。
「綺麗な子だって、言ってた。ざまあみろ」
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#ちゃバン
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