第7話
サイハテ通り / 雨の介
第7話
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『路地裏のバーにて』
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スメラギがエルに指定された待ち合わせ場所。そこは忘れられるはずもない、彼が初めて酒の味を覚えた場所であった。
「スメラギさん、待ってましたよ」
そう言って迎えた眼鏡の男は、形だけの笑みを見せた。
「君は…」
「こうしなきゃ分からないですかね?」
眼鏡を外した彼を見て、スメラギは気づく。彼こそ、先日夜を共にしたという写真の少年だ。
「普段は年齢を偽って記者をやってるんですよ。…貴方のような嘘だらけの不誠実な芸能人達を晒して馬鹿にするために」
「俺に恨みがあるのか?」
そう言うと、彼は愉快そうに微笑んだ。
「恨みだって?ないはずがないです。だって、僕は芸能人の闇そのものですから。条件は二択です。貴方が僕をホテルに連れ込んだことをバラすか、それとも…」
そう言って、ぐいとスメラギへ顔を近づけ…。
「父さん、僕を自分の息子だって認めてくれますか?」
彼は悪夢のような言葉を言い放った。
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#ちゃバン
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