第6話
Ice breaker / ねじ式
第6話
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『二人の女』
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「連絡をくれてありがとう!」
「ナツさんにはお世話になってしまった上、あのエルさん撮影の写真集のお話まで持ってきていただけるなんて…」
恐縮するヒナ。彼女は、写真家エルのことをよく知っていた。謎に包まれた彼女は、カメラを通して芸術性の高い作品を写しとる。常人には見えない五感を持つとまで噂されていた彼女は、どうしてか最近芸能界から姿を消していた。エルは興奮気味にヒナへ話しかける。
「聞いたわ、あなたってなんてクレイジーなの、素敵!あなたのような輝きを待っていたの!ねぇ、あなたの色を見せてちょうだい!」
ヒナの顎に手をかけ、くいとその表情を観察するエル。彼女の押しの強さにやや気圧されつつ、ヒナは笑顔を見せる。
「ありがとうございます…」
エルはカメラに手を伸ばす。彼女は実のところスランプに陥り、その目は色彩を欠き、被写体の美しさを捉えられなくなっていっていた。
(でも、あなたのようなアイドルなら、きっと…!)
エルは爛々とした瞳でそのレンズを覗く。ヒナも期待へ応えようと、いつもの通りとびきりのスマイルを送った。
「ヒナのこと、もっと深く知ってくださいね」
二人はレンズ越しに見つめあい、シャッターの音が響いた。
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#ちゃバン
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