第2話
ウィークエンダーの憂鬱 / 有形ランペイジ
第2話
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『彼の憂鬱』
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女が出ていった方を一瞥し、残された写真に視線を戻して男はため息をつく。
「条件は後ほどバーで、か…」
男、スメラギは道徳的個別主義者であったが、自らの仕事、俳優業に対しては極めて真摯な男であった。仕事が軌道に乗り始めてから彼は女性とプライベートで会うことを避け酒も控えていたが、先日ハメを外してしまったのが事の顛末。
写真には、スメラギが少年の肩を抱きホテルへ連れ入る、衝撃的な姿が写っている。
女性どころか、近くにいた少年とベッドを共にしてしまったらしい。朝になると消えてしまった彼のことが少し寂しくもあったのだが、彼は一体何者であるのか、スメラギは知らないままであった。
「…しかし、このバー、懐かしいな」
彼女から指定されたその場所は、昔懐かしい路地裏にあった。
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#ちゃバン
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