『移り住んだ理由』朗読和風台本
『Mr.R』
『移り住んだ理由』朗読和風台本
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何というか、魂が「ここが自分の居場所だ」って言うような場所ってあると思うんです。
始めて来るはずなのに、妙に懐かしいような、昔からこの場所を知っているような。
まぁ、自分の場合それが秋葉原だったんですけどね?
以下台本
窓から差し込む明るい日差しで目が覚めた。
トーストとヨーグルトに蜂蜜をかけたものが
いつもの朝ごはん。
7月の頭
通りの玄関先でみんな水を撒いている。
パシャパシャと撒かれふ水の音を聞きながら
お気に入りの着物に着替える。
まだ気温が高くない朝一番に稲荷山へ登るのが日課だ。
涼やかな風が時折吹いて、気持ちを晴らしてくれる。
京都に引っ越してきて今日で6年目。
何かに導かれるままにこの古都へ移り住んだ。
きっと、稲荷の神にお仕えしたい気持ちがあったんだと思う。
それは今も同じ。
生まれも育ちも、遠く離れた場所だけど
この美しい都で、きっと誰かと魂が繋がっていたんだと思う。
そう思いたい。
毎日毎日、この都の美しさを見つけては
明日を生きる糧にしている。
何年住んでも飽きない場所だ。
あ、そうだ。
帰りは祇園に寄って帰ろう。
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