午前5時46分【声劇台本】【朗読】

語り部『 あなた 』 台本：宇迦 BGM：rito様

『 風化の一途を少しでも遅く 』 もうすぐあの日です。 当時を知る語り部たちは減り 伝える糸が細くなりつつある昨今。 声劇を通して、少しでもこの国に起きた過去を皆様の頭の片隅に残して行けたらと思い書きました。 🍁コラボの際は拍手orコメントお願い致します 🍁拍手orコメント下さった方のサウンドは必ずお迎えにあがります 以下、台本です ↓↓↓ ----------------------------- 今でも忘れない。 真冬の夜明け 寒空の下(もと)で肩を寄せ合い、光を待ったあの日を。 まるで5分にも感じるような 長い長い10秒だった。 朝日が東から昇り、街を照らしていく。 その光景は今も脳裏(のうり)に焼き付いて消えない。 変わり果てた街は 不気味な程に静まり返っていたのだから。 路地裏から路地裏へ やっとの思いで道の外へ逃げだした。 あちらでは家がひしゃげ こちらでは道が大きく裂けている。 瓦礫(がれき)の山から掘り出した家の時計 二本の針は 5と9を指して息絶えていた。 この世の全てをひっくり返したような景色。 それを見てから、もう何年経っただろう。 人生観は変わった。 未だに、一人きりになると 漠然(ばくぜん)とした不安に襲われる。 それが怖いから、人の支え合いが自然と生まれていく。 人の温(ぬく)もりは 何よりも心強かった。 人の命は無くなったら終わりじゃない。 彼らが遺(のこ)したものを私たちが語り受け継ぎ 苦しみ生きていくのだから。 ----------------------------- #ピアノ #BGM #切ない #悲しい #声劇台本 #朗読台本 #声劇 #朗読 #一人声劇 #台本 #宇迦の台本 #震災 #過去 #語り部 #うか