【台本】クビになった死神【1/8のひと台詞】
声【あなたの名前】言葉【匙】
【台本】クビになった死神【1/8のひと台詞】
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台詞というよりは、朗読です。
人によっては少し怖い内容かも知れません。
曇りの午後
店内には、ぼけたクラシック音楽と
かつては麗し(うるわし)かったであろう婦女(ふじょ)達の笑い声が響いている
一番安いブレンドとホットサンドを注文
窓際には新聞を広げた老人が独り
煙草をふかせていた
「爺(じい)さん、ここは禁煙席だぞ」
等と言う勇気すらない俺だった
店員は気づいているのかいないのか、
目をやる素振り(そぶり)も見せない
老人は冷めた珈琲(コーヒー)をひと口
その皺(しわ)のひとつひとつが
まるで刃物で抉り(えぐり)取られたかのように硬く、鋭い
そうか
この爺さんは、かつては死神だったのだ
クビになって降りた人間界で、どう時間を使うべきかも分からず
この平凡な水曜に辿り着いた……
妄想も程々に、俺はスマホに目を落とす
次に顔をあげた時
飽和する珈琲の香りが、途端に俺の世界に飛び込んできた
「そういえば」と、ふと思う
嫌いな煙草のにおいなど
ここに来てから一度も嗅いでいない
老人はいつの間にか、姿を消していた
〜メモ〜
喫茶店での不思議な出来事
#考える僕_匙
Comment
3commnets
- なかさん@台本師@BGM作成はじめました!再度コラボお邪魔いたしましたー
- 哥人コラボさせて頂きました!ありがとうございました!(`・ω・´)
- なかさん@台本師@BGM作成はじめました!コラボお邪魔いたしました!