君の銀の庭
エリオット&ルピナス
君の銀の庭
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──それは寂しさを隠した時計番の少年の物語。
その少年の仕事は時計塔を見守ること、
そして塔内を見学する客の相手をすること。
母のため、父のため、姉のため、
働く少年に感心する客たちに少年はこう語る。
「みんな家のために頑張ってる。
自分だけ何もしないなんて許されない」
客が帰り夜になった時計塔には少年だけ。
冷たい月だけが少年の眠りを見守っていた…
週に1度の外出の時、
姉へのプレゼントを買いに立ち寄った人形店。
目についたのは姉が好きな雪と同じ
白いオパールの目を持つドール。
夜になった時計塔には少年だけ。
いや、今は優しい目をしたドールがいた。
そして少年を慰めるように子守唄を歌い出す。
少年は店主の言葉を思い出す。
「ふむ、お姉様へのプレゼントに?
そうですね、もし気が変わって…
貴方が彼女のマスターになりたいと願うなら、
貴方の想いが一番込められた物を
彼女に一つお贈り下さいませ」
ポケットから取り出したのは
お守りの代わりに常に持ち歩いていた
オパール飾りの銀製のティースプーン。
寂しさを隠した少年と寂しさを癒す人形は
こうして出会った───。
#EQCENTRIEQUE #エリオット #ルピナス
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そっと開いたドアの向こうに
壊れそうな世界はある
朝が来るのか
夜になるのか
迷いながらひかりは綻びて
声が呼ぶまではもう少し遊ぼう
花のように廻る時を繰り返し
夢はこの部屋の中で
優しい歌をずっと君に歌っていた
何がほんとのことなの
一番強く信じられる世界を追いかけて
君の銀の庭へ
【1/2 追記】
10拍手 誠にありがとうございます。
寂しいエリオットと慈愛深いルピナスの
物語を引き続きお楽しみにお待ち下さい。
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