年賀状
作詞: Sken
年賀状
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#Skenベスト
暗号のような文字で
娘が年賀状を書く
きっと届いた母は
楽しそうにこれを解読するのだろう
伝えたいことは
形じゃなくて
文の中身でもなくて
喜ぶ顔を想って書くことで
伝わるのだろう
兄と年賀状の数を競争していた
ポストに雪を踏み踏み
何度も行っていた
同じように娘が
アパートのポストに届く
コトンという音に
犬のように走って行く
随分会っていない友人の
子どもの写真はどんどん大きくなり
毎年また会おうと書いて
会えないままだったことを想う
届かなくなることが
寂しいから
年賀状を書く
いつか会いたいと想って
年賀状を書く
好きだった女の子に
年賀状を書いていた
淡い思い出は
冬の風物詩となっていて
宝物のように
引き出しにしまってある年賀状は
生きてきた証のような
そんな気持ちになる
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