手袋を買いに
作:新美南吉 BGM:Mieco【月夜の夢⠀】 語り部:星猫
手袋を買いに
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需要は無視です。朗読したかったので作りましたm(_ _)m
台本
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子狐は教えられた通り、トントンと戸を叩きました。
「今晩は」
すると、中では何か音がしていましたが、
やがて戸が一寸ほどゴロリとあいて、光の帯が道の白い雪の上に長く伸びました。
子狐はその光がまばゆかったので、めんくらって、まちがった方の手を、――お母さんが出しちゃいけないと言ってよく聞かせた方の手をすきまからさしこんでしまいました。
「このお手々にちょうどいい手袋を下さい」
帽子屋さんは、おやおやと思いました。
狐の手が手袋をくれと言うのです。
これはきっと木の葉で買いに来たんだなと思いました。
そこで、
「先にお金を下さい」と言いました。
子狐はすなおに、握って来た白銅貨を二つ帽子屋さんに渡しました。帽子屋さんはそれを人差指のさきに乗せて、カチ合せて見ると、チンチンとよい音がします。それは木の葉ではなく、本物のお金でした。
棚から子供用の毛糸の手袋をとり出して来て、子狐の手に持たせてやりました。子狐は、お礼を言ってまた、もと来た道を帰り始めました。
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