朗読台本「ポーレットの埋葬」
朗読:貴方/台本:繭と朝露
朗読台本「ポーレットの埋葬」
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しっとりと心に残るお話。
読ませて頂きました。
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そのモノクロ映画は、幼い少女のために墓を作る話だった。
両親の死を受け入れられない少女は、養子先の家で出会った少年と、様々な生き物の墓を作る。
木の枝で作ったちいさな十字架からはじまり、やがて墓地から盗み出した豪奢な装飾で虫やネズミや猫や豚なんかの墓を作っていた。
どんな生き物が埋められたかは、もうほとんど覚えていない。
なにしろ、映画を見たのは、何年も前のことだったから。
私は彼らのことを思い出すたびに、いつも、埋められた動物たちの死骸が気になってしまう。
はたして、子供のちいさなてのひらに隠された黒い影たちは、土に還ったのだろうか。
ーーー私は、土を掘る手を止めた。
石が混じった土は固く、スコップを突き刺すたびに鈍い音が響いていた。
じくじくと手首が傷んでくる。
もう、こんなに深くまで、きてしまった。
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映画はルネ・クレマン監督の「禁じられた遊び」です。
#朗読 #朗読台本
声出し練習中ですが、むずかしい〜〜〜…!
Comment
2commnets
- 叶兎ユニ
- 繭と朝露ユニさん……!お読みいただきありがとうございます!! 穏やかなお声で読んでいただけて嬉しいです……!