ようこそ新たなお得意さん
BLUE ENCOUNT
ようこそ新たなお得意さん
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半神はカミツキのように魔法が使えない。
故に、軽視されたり酷いところは差別される事もある種族。でも、俺は半神で良かった。アグルは心からそう思っている。
今日も平和なキリエの街、人で賑わう商店街を調子外れの口笛を吹きながらアグルが歩く。まさかこんな気の抜けた男が数時間前まで取引先の敵対集団をボコボコにのしていたと、誰が気づくだろうか。
「ほーんといー街ね。こんな気楽に歩けんだから、俺好きよ。ただねー…」
花炎石の指輪でタバコに火をつける。
「平和過ぎてねー…なかなか使える人材が居ないのが難点なんだよなー」
気だるそうにダラダラとタバコを吹かして歩いているが、目はどこまでも鋭く行き交う人を捉えている。
半神はカミツキのように魔法が使えない。
が、唯一、憑神を可視できる。神が見えればその人の能力、魔法の癖まで見通せてしまう。この能力を最大限に活かして、アグルは今の生活を築いてきた。今では神の態度でその人と成りまで何となくわかる程の洞察力まで備わっている。
こいつは魔法が弱い。あいつは裏には向かねぇ。こいつは信用ならなさそうだ…と心で喋り、1人黙って長らく人々を眺め続けた。
「前に声掛けた6人ぐらいかぁ?いいなって思った奴ぁ…」
半ば諦め出した頃、ピリッとした空気を本能で感じ取り、貴方の方を振り返った。
「いやー、俺ってやっぱりツイてるね。今日は素敵な出会いがあると思ったんだよ」
ニタニタといつもの笑顔を向け、貴方に近付いた。
「よぉ、お前さんなかなかいい憑神だな。ニフの所へ行くのか?そっちもいいけどよ、俺も仕事紹介してんだ。あそこでは頼まれない仕事をな…これは俺からの歓迎の印だ」
そう言うと柘榴石を2つと地図を貴方の手に握らせた。
貴方は彼が教えた火山の洞窟へと向かった。アグルは質素な椅子に腰掛けて嬉しそうに貴方を向かい入れた。
「ようこそ、新たなお得意さん!
…さぁ、俺と取引しようじゃないか…」
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新規3名様、ようこそキリエの世界へ。我々NPC一同も歓迎致します。
クエストでストーリーを進める「ニフ」と
声劇でポイント(柘榴石)を貯めてコラボ曲にて短編を制作する「アグル」のふたつのシステムがございます。
ぜひどちらとも楽しんでいただければと思います。(アグルのシステムの詳細は「アグルの窼」にて)
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