真水
risou/Sori Sawada
真水
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緩んだ蛇口から、零れていった。
気付いたらもう底を突いたんだ。
終点だった君の駅には
今じゃ知らない風景がなかった。
「久しぶりね。私たち、あまり会わなくなったね。
言葉だけの関係で、どこまで行けるのかな。
私たち、なんで二人でいるんだろうね。」
話がしたいと言う。君が、笑って言う。
今まで見た笑顔で一番下手くそだった。
泣き虫だった君だからこそ、誤魔化せないと思った。
終わってしまうんだね。
僕らは真水に浸かってた。
変わらないことがさ、必要だと思い込んでいた。
いつか、いつか、またねがあれば。
なんて言えないよな。
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