Still… 閑話
嵐
Still… 閑話
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ー TEMPEST 11.5話 ー
Still… キール(cv.ゆーま)
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キールにべったりと張り付いているキャロルの様子を見て、周囲は少し驚いていたが、やがて関係なしに食事に手を伸ばした。
「パーティーなんて何年ぶりなんだろう、引きこもりやめてよかった!」
嬉しそうなヨシノは、今日はメガネをかけている。しかし、心を許した仲間達に、敬語は外しているようだ。
「でも、本当に人間な俺のことを受け入れてくれるんだね。憎くないの?」
「吸血鬼はどんな過去だろうが同胞大歓迎さ。さあ、とりあえず今日は歓迎の酒だー!」
愉快そうに笑うスティンガーを、眩しそうに見つめるキャロル。髪をばっさり切り、男の格好に戻ったミスティも、その様子をにこやかに見つめている。
「ミスティ。…ラムレットに贈り物か?」
スティンガーは彼の手にある花を見やり、ミスティはその言葉に頷いた。
***
「あの時の俺の行動は愚かな規律違反でした。…寛大なご対応、感謝します、長官」
一方、ヴァンパイアハンター本部では、ギムレットが無表情で、ネグロー二へ頭を下げていた。
「君達兄弟には今まで何度も助けられてきたからね。…でも謹慎後、そのまま戻らず吸血鬼のもとへ行っても良かったんだよ、ギムレット。周りも、君に不信感を持っているしね」
ネグロー二は緩やかに言うが、ギムレットは首を振った。
「まさか。俺は吸血鬼どもを許さない。殺してやる」
復讐に燃える彼は無表情であり、しかし、どこか吹っ切れたように見えた。ネグロー二は仮面の笑みを浮かべたまま言った。
「ああ。昔から、君は僕と同じ人間だと思っていたよ」
#ヴァンてん
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