声劇台本『過ぎ去りし恋と季節』
貴方の名前
声劇台本『過ぎ去りし恋と季節』
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高校3年間、ひたすら唯一1人の女の子に恋をしていた。あの日々だけはモノクロの私の青春の中で唯一色を持ったものだった。
仕草の1つ、かけられた何気ない一言さえ私を
一喜一憂させたものだ。結局の所、私の恋は実る事はなかったが私は決して好きになった事を後悔はしていない。確かに、悲しみや寂しさのような感情は感じていた。それでもあんな素晴らしい日々を過ごせた事に対する満足感と感謝が悲しみや寂しさという感情に勝ったから私は今もこう思えるのだと思う。
恋とは難しく叶わぬ可能性もあるが
あの雪の日を今でも良い思い出と思い出せるのはきっとあの恋が私にとって真実の愛であり全力を掛けるに値した出来事であったからに違いないのだ。
〜台本〜
付き合っているわけじゃないのに
君が誰かといるだけでどうしてこんなにも
嫌な気持ちになってしまうのだろう
自分でも身勝手で…気持ち悪いと思う
けれども、これが好きという感情なんだろう
君ともっといたい
君をもっと知りたい
この想いは…君を考える度に強まっていく
勇気を出して声をかけた放課後も
一緒に帰った雨上がりの帰り道も
私(僕)にとってはかけがえのない思い出だ
ほんの僅かな時間だったけど
あの時だけは
君が、私(僕)だけを見てくれている気がした
本当に…楽しい時間だった
勇気を出して紡いだ言葉も
必死に伝えた君への思いも
今は過ぎ去った季節と同じ
過去の話だけれど
それでも…
私(僕)の心に
喪失感と満足感を今も与え続けるのは
あの恋がきっと…
本物だったからに違いないんだ
雪が降る季節に
君への思いをあの雪に
重ねてしまうのは
あの恋がきっとこの雪のように
純粋で真っ白だったからと思う…
本当に…好きだったな
#黒金の台本 #朗読 #声劇 #セリフ #台本
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