煙管と廓言葉
台本:あいざわ 読み手:Ma-cham
煙管と廓言葉
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素敵な台本お借りしました!
✄ - - - - - - - - キ リ ト リ - - - - - - - - ✄
鏡の前に座って、紅を引く。
一体、何回
こなたの唇に紅を引いたのでありんしょう。
鏡に映る着飾った姿。
もう大分慣れてしまいんした。
籠の中の鳥とは、よく言ったもので、
行く宛のないわっちは、
永遠に囚われ続ける運命なんでありんす。
無邪気でありんしたわっちは、
とうの昔にどこかへ行ってしまいんした 。
好かねぇ事を言われようが、
好かねぇ事をされようが。
わっちは、抜け殻のように
何も感じなくなってしまいんした 。
感情など 、とうの昔に捨てたぇ。
夜な夜な泣きじゃくるのも無くなりんした 。
まことの笑みなど 、覚えているはずがない。
今日もわっち は一人、
座敷の縁側で煙管を吹く。
煙は無情にも、夜の街に溶け込んで、
わっちを包んではくりんせん 。
わっちを包むは、
肌寒い秋の風だけでありんした 。
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