【二人声劇】蛍【台本】

「」×『』

『さて、お前さん、名前は？』 「…っ」 『だんまりかい、どれ 細っこい腕だ、折れちまいそうだね』 「っ！汚い手で触るな！」 『ははは、汚い手か、手厳しい』 「あたしは絶対に屈したりしない！ 心まで売り渡してやるもんか！」 『（大声で笑う） いやあ、こいつはまた気が強い その心意気を買ってお前さんとひとつ賭けをしようか』 「賭け…？」 『そうさ、お前さんがここで太夫（たゆう）になったら なんでもひとつ願いを叶えてやろう どんな客でも相手をすると誓ってもらうけどね』 「あんたみたいな奴の言うことなんて信じるか！ どうせあたしを病気になるまで使って その辺の道端に捨てるんだろう！」 『まあ、そう言いなさんな 実際、吉原の外に出してやった女だっている お前も知ってるだろう、高尾って女だ』 「…！あの女が外にいるってのは本当なのか！」 『さあねえ…くすくす、さあ、どうする？』 「…いいさ、のった あたしが有名になった暁（あかつき）には…」 『暁には？』 「蛍が、みたい 幼なじみとの約束だったんだ でもその前にここに来ちまった だから一度でいい、蛍がみたい」 『蛍か…いいだろう しかし…約束を果たすため、男に身体をひらいて… くすくす』 「なにがおかしい！！」 『いや、存外、健気なことだと思ってねえ… よし、お前さんは今日から「蛍」と名乗りな お前さんがそれは綺麗な蛍になることを 願ってるよ（忍び笑い）』 nolfyさんの素敵な和風伴奏お借りしました。 ありがとうございます。 売られてきた娘とそれを品定めする役の話でした。 品定めする方は男でも女でも大丈夫なように書きました。 ここのところ需要があるのかないのかわからない台本ばかり書いてる気がします(笑) それでもいいよ〜という方だけ、どうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m ※間がきついですすみません ご使用の際には一言コメントいただけると幸いです。 #声劇 #台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph