【五十音声劇】無重力の世界【む】
兎角ゆず
【五十音声劇】無重力の世界【む】
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#五十音声劇チャレンジ #声劇
地球とはまた別の星の出来事。
重力が存在しないこの星では、生き物も、物すら存在しない。
あるのは石。
この星に降り立つ時、私は最初にジャンプした。
どんどん跳んでいく。
空高く、深く……。
空を飛ぶ感覚なのか、それとも海底に沈む感覚なのか。
私が一度も味わったことのない感覚だ。
この世界では私しかいない。
孤独という言葉が正しいのかわからない。
だけど、これは心地のよい孤独だ。
宙を舞う私を誰も見てはいない。
一体、私は何処まで跳んでいくのだろうか。
そして、安全装置の紐が止まる。
勢いよく身体が引っ張られる。
このままでは地面に叩きつけれられてしまう。
私は今、宇宙服を着ているのに。
衝撃で壊れてしまっては死んでしまう。
怖い…おねがい…だれか…だれか助けて!!
誰もいない…。
これが…孤独の恐怖か。
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