【掛け合い声劇】銀無垢の化物⑤
兎角ゆず
【掛け合い声劇】銀無垢の化物⑤
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#声劇
兎角です。
化物は人間に供物を与え、信仰され、神と呼ばれる。
だが、所詮は化物。何と言われようが、かわりはない。
【配役 】
●ギン
○白
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●シロに真実を伝えた。
伝えたことにより、白の感情の一部は人間から変わっていっている。
○あ、ギン様…。
●シロ……今日は少し休みなさい。
身体も変化しているではないか。
○でも、私、ギン様のお世話係で…。
●お世話係だとしても、人は休まなければ身体がもたないだろ。
○あはは。ギン様、何をおっしゃってるんですか。
…私は人ではなくなってるというのに。
●シロ…。
○左手が枝になる。
そうか、私は木になるのか。
何かの木になって、木ノ実を作るのかな。
●今日は僕が料理をつくるよ。何が食べたい?
○ギン様の料理ですか?
●あぁ。シロみたいに上手ではないが、見ていたから作れるよ。
○ふふ。私は幸せものですね。
●なぜだい?
○だって…ギン様の手料理が食べれるんですから…。
●シロはそうやって笑う。
シロ、君は心を失うのが怖くないのか?
○私の心が何かに奪われる。
感情が消えていく。それが一番こわい。
○ねぇ、ギン様。
●どうしたんだい?
○私、ギン様の事が好きになったみたいなんです。
●シロ…。感情を出してはいけないと。
○いえ、人間のうちに……。
人間のうちに、この気持ちを言いたかったんです。
●シロは人間だ。
今でも、これからも。
だから……痛いかもしれないけど。じっとしていてくれ。
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